「東慶寺春光」
2019年3月号掲載 水彩31×41
二月の初めに東慶寺を訪れた。まだ小さな梅の蕾が、強い北風に耐えていた。
去年の三月にスケッチした時にはほぼ満開で、仄かな香りと暖かな色が境内を満たしていた。観梅の人も多く、これまた境内を満たしていた。片隅でスケッチをして円覚寺に向かった。
円覚寺の大鐘堂から展望すると、東慶寺は暗い森に囲まれ、梅林が陽光に煌めいていた。
浄土。中央に鎮座する釈迦如来が思わせたのか、そんな言葉がわいてきた。